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エクストリーム・メイクオーヴァー(9月29日)

珍しいかな、今日はコンクール以外、それもヨーロッパの吹奏楽団の演奏です。



 ブニョール"アルティスティカ"交響吹奏楽団
 エクストリーム・メイオクオーヴァー~チャイコフスキーの主題による変奏曲  (J.デ=メイ)





全曲でなんと16分を超えるようななかなかのずっしり感があるデ=メイの名作。近年はアンサンブルリベルテ、東海大菅生(支部)なんかがコンクールで演奏してたりしました。元々はEBBC2005の課題曲としてブラスバンド用に書かれた曲です。

さてさてこの曲は副題にもあるように、チャイコフスキーの曲の断片が随所にちりばめられています。わかりやすいところではメインテーマになっている「弦楽四重奏曲 ニ長調 第一楽章」(アンダンテ・カンタービレ、でも有名ですね)大序曲「1812年」だとか、交響曲第4番、ロメオとジュリエットなんかもはいってます。「あの曲だよあれ!」ってのはありますが曲名が(笑
で、実にデ=メイ節の聞いた吹奏楽のパワー爆発!みたいな曲。途中打楽器のソリがあったり、音程の違う複数のガラス瓶を用いていたり、終わった?と思わせてまだ5分ある、みたいなことがあったり実に飽きない。演出効果にはまったく事欠かない、ド派手でめちゃめちゃビッグなスケール感の曲です。特にマリンバソロから終結部に向けて徐々に徐々に盛り上がっていくところは鳥肌もの。キタキタキター!って感じなんです。

この演奏はスペインでのライブ録音なんですけど、とにかくスタミナがすさまじい!これだけの曲にもかかわらず最後まできっちり吹ききって(特に金管!)おそろしい。アメリカ空軍と戦えるんじゃないですか?w
カップリングの「プラネット・アース」も、シンセとコラボしたまたビッグスケールな作品。とりあえずこのCDはすごいぜ。

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交響曲第4番より 第4楽章(6月6日)

それでは今日の一曲に参りましょう!本日も全日本吹奏楽コンクールライブ録音から。


第19回(1971年)全日本吹奏楽コンクール。
静岡県立浜松工業高校(指揮:遠山詠一) 金賞
交響曲第4番より 第4楽章  (P.I.チャイコフスキー)






1970年代前半の超人気曲で、今でいうダフクロ的なポジションのこの曲。1970年の響南中学の名演が有名ですが、その一年後ののこの演奏も負けていません!むしろこっちが勝るか、というところ。

同県立浜松商業をも全国に導いた遠山先生の実に見事な名演奏。冒頭から非常にカッチリした、まるでオケのような音楽作りに驚かされます。こんな大曲ではありますが、高校生とは思えない技術の高さで、実にそつなくこなしている。特にFl.,Trp.の音色はイチ押し!Flはここぞ!というところでバッチリ決めてくれますし、Trpの驚くほど正確な響きにはただただ脱帽。よくぞここまで仕上げたものです。バンド全体のまとまりがすごくしっかりしていて、「ひとつの音楽作ってます!」というような演奏。ほんとに1970年代!?という驚きを感じられるとこからも、機会があったらぜひぜひ聞いて欲しい演奏のひとつです。
'97にNTT中国が久々に取り上げていましたが、こういう正面から勝負しなくてはいけない曲はなかなか今では選びにくいかもしれませんね。

このCDがピンと来た人はそうとうなオタク間違いありません(笑)

ではではまた。勉強しなきゃ。。。

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「オセロ」より(4月11日)

それでは今日の一曲に参りましょう!本日も全日本吹奏楽コンクールライブ録音から。

  
第35回(1987年)全日本吹奏楽コンクール。
北海道札幌白石高校(指揮:米谷久男) 金賞
「オセロ」より I.前奏曲,III.オセロとデズデモーナ,IV.廷臣の入場 (A.リード)





数あるリードの名曲の中でも、ひときわ劇的で、メロディックな一曲。特にIII.オセロとデズデモーナの叙情的で美しいメロディーは大好きです!
で、この演奏は金管がパワフルな北の名門札幌白石。特にI,IVの金管のきらびやかな鳴り具合はすばらしい!曲にぴったりです。パンとはった音色が、冒頭から小気味よく聞こえる。金管好きの僕にはたまりませんね。で、打って変わってIIIでは木管のしなやかな音。メロディックな旋律を丁寧に歌い上げるサウンドには、心にぐっとくるものがあります。そしてフィナーレ(本来はVまであるので正しくはありませんが)の、堂々たるメロディー。ここで再び金管軍が炸裂します。終結部は疲れからかやや精細さを(少しですが)欠いてしまう場面もありますが、それもまたご愛嬌。全体的に音楽作り、ストーリー性が良く出ていて、オセロで好きな演奏のひとつです。リードファンなら必聴!
市立川口、曲吹、嘉穂高そしてなにより野庭と天理。まだまだ名演に列挙のいとまがないです笑

では、また明日!勉強頑張ります(笑)

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バレエ音楽「中国の不思議な役人」より(4月7日)

で、今日の曲も全日本吹奏楽コンクールライブ録音から。


第55回(2007年)全日本吹奏楽コンクール 
福島県立磐城高校(指揮:根本直人) 金賞 
バレエ音楽「中国の不思議な役人」より
(B.バルトーク/根本直人)




まず実はこの曲、「バレエ」ではなく「グロテスクなパントマイム」なんですよね。まぁそこはいいとしますか。ストーリー(まぁいつか機会があったら紹介します)も曲想も、とにかく不気味なこの曲。ですが、この演奏は不気味さ(も勿論出てますが)よりもとにかく「熱さ」が光る名演。磐城高校は'81,'01,そしてこの'07の三回「中国の不思議な役人」を演奏してますが、熱演、ってのでは'07が一番ではないでしょうか?

とにかく音がバシバシ飛んで来る。曲の緊迫感なんかがすごく良く伝わってきます。サックスパートがバンドをうまく牽引しているような。また、この曲で特に有名なのがTrbの冒頭ソロ、中間部のソリ。超絶技巧パッセージってのでも有名ですよね。それをもう見事にそつなくこなしているところには脱帽、無論うしろの木管群もなかなかです。グロテスクと熱さが入り混じった、不思議なんだけどなんか惹かれる演奏。
…とまあずいぶん主観的、ひいき目に書いてしまいましたが、それだけこの演奏は好きなんです。どんなに技術がすばらしく、ノーミスの演奏でも、心がこもってないものは嫌いです。
機械みたいなかっちりした演奏よりも、奇演でもいいから心がはいったアツイ演奏が僕は好きですね。
だからこそ、近年の金賞演奏より、70年代80年代の、精一杯さが出ている演奏のほうが好みなのかもしれません。

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吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」より(4月6日)

それでは今日の一曲に参りましょう!本日も全日本吹奏楽コンクールライブ録音から。



第40回(1992年)全日本吹奏楽コンクール。
習志野ウィンド・オーケストラ(指揮:海野修) 金賞
吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」より (伊藤康英)





本日は特に音楽の話をしなかったので、僕のお気に入りの曲からひとつチョイス。
そもそも「ぐるりよざ」って皆さん知ってますか?かくいう私もこの曲ではじめて知りました。江戸時代、キリスト教信仰が禁止されてたのは有名ですよね。このとき、長崎のごく一地方の「隠れキリシタン」は、ラテン語の祈りの言葉を日本語風にカモフラージュして伝えていたそうなんです。これを、「オラショ」といいます。「オラショ」というのも、元はラテン語の「Orasio(祈り)」からきています。そしてこの「ぐるりよざ」はラテン語「Grolious(栄光)」からの発生。そんな不思議な祈りをモチーフとしたこの曲だけに、なにか神秘的なものを感じます。

冒頭の「I.祈り」の部分は、Euphソロに被せて男性斉唱で主題が歌われます。これこそが、「オラショ」をもとにした旋律なのです。なんだか不気味で神秘的な…どこの国の旋律とも言いがたい、独特の響きに感じます。この演奏では龍笛が出てくる二楽章はカット、一楽章の途中から「III.祭」へとうつります。ここからは日本の雰囲気(長崎ぶらぶら節がベースのモチーフ)、躍動感あふれる祭です。華やかかつ堂々たる強奏で曲は幕を閉じます。

で、この曲で有名なのは、全パートに体力・気力を要求するラストの祭り。自分で演奏をしたことはないんですが、手元にスコアがありまして…明らかにキツイ。めちゃハードなんじゃないでしょうか?大変な分、演奏効果も抜群、かっこいいんですが。
…とまぁそんな難曲を、名門習志野高校のOBOGバンドであるこの習志野WOは見事にこなしてます!曲の熱さと技術が兼ね備えられた必聴の名演。やっぱり日本人は「祭」に惹かれるんですかね?

今日は珍しく曲について語ってみました、ではまた明日!

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